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「利他」とは何か 伊藤亜紗 編

awanohibi

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キャベツ畑の通路に咲いていた薄紫の花(9月19日付けブログ)は、イヌサフランではないだろうかと親切な方から教えていただきました。春先にはギョウジャニンニクと葉の形が似ていることから間違われることが多いそうです。ギョウジャニンニクは「強烈」な春の味覚ですが、イヌサフランは毒草です。間違って食べると中毒症状を起こし、最悪の場合は死んでしまうそうです。ありがとうございます。

伊藤亜紗さんの名前を知ったのは、4年前2017年の10月、神保町の東京堂書店でリタイア後の毒書生活にむけて「事前物色」しているときでした。夕食の時間も無視して閉店時間ギリギリまで、棚のタイトルをチェックしていました。たしか3階の一角で「ヴァレリーの芸術哲学あるいは身体の解剖」という1冊をみつけました。タイトルだけで「!!」ですが、目次をなぞってさらに「!!‥‥」新進のヴァレリー研究者と思ったら、どうもそうではなくて「美学者、、!!!」3度も驚かされました。これは、、、と思って、頭の中に「しおり」を挟んでおきました。
リタイア後、自室の本棚の中を迷走しているうちに、伊藤さんは、あっという間に「中心」というか「先端」の存在になっておりました。
頭の中の「しおり」を再確認して、先月末「記憶する体」(2019春秋社)を買ったのですが、そのついでに新書コーナーに平積みされていた「「利他」とは何か」を合わせて入手しました。
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「利他主義」単純にいうと「利己主義」の逆ということですが、「共感」、「信頼」など、ほんとうの「利他」の要件がわかりやすく提示されています。いちばんわかりやすいところを1箇所だけ引用します。
■うつわ的利他
 利他についてこのように考えていくと、ひとつのイメージがうかびます。それは、利他とは「うつわ」のようなものではないか、ということです。相手のために何かをしているときであっても、自分で立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持っていること。それは同時に、自分が変わる可能性としての余白でもあるでしょう。この何もない余白が利他であるとするならば、それはまさにさまざまな料理や品物をうけとめ、 その可能性を引き出すうつわのようです。 Page58
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この新書は東工大の未来の人類研究センターによる「利他プロジェクト」からでき上がったもので、その第1期プロジェクトメンバー5人の共著のかたちになっています。若松英輔、中島岳志、国分功一郎、磯崎憲一郎なども、それぞれ「利他」への「らしい」アプローチをしていますが、やはり伊藤亜紗さんの論考がいちばん明解です。(磯崎の部分は正直にいうと不要かな)
伊藤亜紗さんは東工大准教授 未来の人類研究センター長ということですが、これから日毎に存在感が大きくなることでしょう。楽しみなかたです。

「利他」とは何か  伊藤亜紗 編 中島岳志、若松英輔、国分功一郎、磯崎憲一郎 著 2021年3月 集英社新書

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最終更新日2021-09-23
Posted by awanohibi