本の日焼けについて、プラス・ラブ
2021年10月22日
先日友人に借りた文庫本が茶色く日焼けしていて、ヘビースモーカーのせいかと思っていたのですが、本が日焼けする主な原因は、「光と空気」なんですね。光は、日光に限らず照明器具の紫外線など、空気、これは厳密には酸素による紙の酸化が時とともに進行するそうです。
また、紙自体にも日焼けしやすい性質のものがあって、中性紙が普及する1980年代以前の紙は程度の差こそあれ、ほぼ日焼けする運命にあるようです。
とすると、わたしの書棚の本の99%は、1976年から1980年前後のものですので、どんなものか見分してみました。
予想通りで、日焼けの程度が著しいのは、①文庫本、②新書本、③箱なしのハードカバー、④ハードカバーの箱入、の順でした。文庫本は紙の厚さも薄いので、仕方のないことですが、どうも角川文庫と文春文庫が劣化しやすく、中公文庫と講談社文庫が劣化しにくいようです。
だから、、、?といわれると困りますが、わたしの書棚ではそういう傾向が顕著だという報告?であります。で、ここからが本題となるのですが、文庫以外の本で、ちょっと哀れなほど変色した一冊が見つかりました。
「プラス・ラブ」1981年に出版された本です。
比較のため同じ頃に出版された本を左右に置いてみました、、、日焼け加減が際立っています。
出版社は株式会社サンリオ、、キティちゃん、ピューロランド、、のサンリオです。
印刷と製本は凸版印刷。「まだ印刷の会社だと思ってます?」の凸版ですね。
日焼けという現象と出版社、印刷所、それにもちろん本の内容は関係のないことと思いますが、友人に借りた日焼けした「白いページⅠ」に導かれて、懐かしい本を手にとることになりましたので、久しぶりに「書棚の整理」です。

エリザベート・バダンテールは1944年生まれのフランスの哲学者ですが、おもにフェミニズムの理論家という側面から注目されることが多い存在です。
その主著がこの「プラス・ラブ 母性本能という神話の終焉」です。正式タイトルは、L'Amour En Plus 〜Histoire de l'amour maternel XVⅡeーXXe siècle
原題から、より正確に訳すと「付け加えられた愛〜17世紀から20世紀の母性の歴史」。「母性本能」なるものをフランスの近世以降の歴史から検証していきます。

それにしても、、見開きにすると、額縁のようなやけ加減です。