「戦争と農業」と「市民農園」

2023年02月03日
0
21世紀の本を読む
♪ か〜もめ〜のすいへいさ〜ん
とつぜん歌いはじめた奥様、、
朝4時、、、外では暴風が吹き荒れているのが音でわかります。
「寝言」は慣れてるけど「寝唄」は、はじめて。
起きる時間には早いので、また寝ました。

♫ しろいぼーし、しろいシャツ、しろいフク
時間は5時15分。
仕方ないので起きることにしました。
7A9A4551-8C95-4792-A3F1-711E3B3FE8E9_convert_20230202150923.jpeg
来年度の市民農園の契約書がJA札幌から送られてきました。契約書に署名、捺印して送り返さなければなりません。ワタシにとって今年で4シーズン目の野菜づくりとなります。割り当てられた区画は去年と変更なしです。

市民農園と関連させるわけであはりませんが、少し前に読んだ藤原辰史の「戦争と農業」。学術書ではなく、一般向けに行われた「講義録」の体裁です。
C194CC80-7F8E-4784-BA95-66F0A6EB6513_convert_20230202150835.jpeg
地球の人口増加を支える「食糧増産」、そのベースとなる「農業技術」の進化の代表として、農業機械(トラクターなど)、化学肥料、農薬(殺虫剤、除草剤など)、品種改良(従来の交配によるものだけでなく遺伝子組替技術なども含む)があります。そして、これらの農業に関する技術の多くが「戦争」の兵器技術に転用(=「スピンオン」)している歴史的事実を説明します。
要旨を以下に
農業機械
牛馬に変わって大規模な農場の担い手として登場した農業機械「トラクター」。この農業機械が第一次大戦を契機に「戦車」という機動性、走破性の高い陸上戦闘の最強兵器へと姿を変えていった。
化学肥料
農作物の生育にとって必要不可欠な3要素窒素、リン酸、カリウム。空中の窒素を固定してアンモニアを生成する技術が確立したことで、化学肥料の生産が広がり、農業に革命をもたらす。一方、この技術はアンモニアから硝酸を作る技術へとつながっていき、これが「火薬」の大量生産の道を開く。その結果は、火力の増大=殺傷力の強化につながっていく。
農薬
これと反対の方向で生まれたのが農薬。これは第一次大戦中に開発された化学兵器「毒ガス」を戦後、アメリカの綿花畑などで害虫駆除のため空中散布したことから農用転化された。その結果「毒ガス」メーカーが「農薬」メーカーとかわった。
さらに「戦争」とのストレートな関連はないが、遺伝子組換作物の広がりも地球規模での問題。食をめぐる競争の中で、収量の安定性を高め、競争力を高めるため、遺伝子組み換え種子メーカーは病害虫などに抵抗力のある「種」を遺伝子操作で作り出します。その結果、地域の自然条件にあった伝統野菜や穀物、多様で伝統的な作物を市場から追いやる方向で支配を強めていく。
以上、、かなり乱暴にまとめてしまいましたが、、人類の「食」を支える「農業の現在地」は、すでにそうとう危ういところに来ていることをわかりやすく示しています。また多面的なアプローチで「食」について考えさせてくれます。オススメです。

藤原辰史 戦争と農業 2017年10月 集英社インターナショナル新書

ご訪問いただき ありがとうございました。
にほんブログ村 その他日記ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ 
awanohibi
Posted by awanohibi
アラ還白髪男子の身辺雑記たまに妄想&毒想

Comments 0

There are no comments yet.